「な、なんですか？」

あたしは、できるだけ平静を装って聞く。



「敬語」


「…はい？」



一単語だけ言われたって、なんの事だかさっぱりわかりません。



市原君は呆れた様に「だーかーらー」と言う。



「？」

「敬語で話すの、やめてくんない？変な感じするから」


「えっ」




市原君からの、予想しなかった言葉。




あまりにも深刻そうな顔するから、もっと重大な事言われるのかと…


あたしは思わず吹き出してしまう。



それを見た市原君は「っ！何笑ってんだよ」と、顔を赤くした。