「……わ、わかりました…!」



そう言ってあたしは鞄の中を探し始める。


「いくら払えばいいですか?あたし今、あんまりお金持ってきてなくて…」



きっと高いだろうなぁ

あんなによくしてもらったんだからね。




暗いから鞄の中がよく見えない。




「はぁ……そういう事じゃねーんだけど」と、ぼそっと言った。



でもあたしには何を言ったかは聞こえなかった。




うーーん……

よく見えないよ………




必死になって財布を探してると「千尋」と市原君に名前を呼ばれた。