次の日はお互い気まずいかな、なんて思ってたけど全然そんな事はなくて。
それから更に練習を重ねて、いよいよ体育祭当日。
あたしの参加する100m走が始まろうとしていた。
…やばい…恥ずかしながら緊張してきた…
あたしは第3走目。
順番はすぐだ。
そしてすぐに第3走になった。
市原君に教えてもらった通り、クラウチングスタートでセットする。
『短距離はスタートダッシュが大事だからな』
市原君の言葉を思い出す。
ーーーよし、行ける!
「位置に着いて」
体育委員の人が合図する。
体を支える指に力を込める。
ーーー大丈夫、大丈夫。
「よーーーい!」
"パンッ"
あたしは音と同時に思い切り地面を蹴ってスタートを切った。