自転車で中島運動場に行く。




入り口に着くと、もう市原君はいた。

あたしに気づいた市原君は「よぉ」と手を上げた。




自転車から降りて、歩いて陸上競技場へ行く。



歩いていると、いきなり市原君があたしを抱きしめた。



「へっ⁈」


急な事でびっくりして変な声が出た。



顔がどんどん熱くなっていく。



耐えられなくなったあたしは、

「い、市原君?どうしたんですか?」

と困惑しながら尋ねる。




「ジャージ姿とポニーテール、可愛すぎ」

と市原君がさらっと言う。




それからしばらく、市原君はあたしを抱きしめていた。




今は夏。

ずっと抱きしめられてると、暑すぎる。




「あのっ…離れてください!苦しくて、暑いです…」


あたしが言うと「あぁ、ごめん」と言って離してくれた。