そのために楽しみにされるのは、照れるというか緊張するというかプレッシャーというか……
「それならあたしだって!凛人の走る姿、楽しみにしてたもん!」
それを聞いた凛人は一瞬頬を染めた。
しかしそれを誤魔化す様に、あたしの頬をつねる。
「いったい!」
「うるさい」
うるさくはないでしょ!
あたしは頬をさすりながら心の中で文句を言ってみる。
「……まぁ、晴れても走れなかったけど」
凛人の弱々しい声は、大雨の音にかき消された。
「え?今なんて言ったの?」
「なんでもねぇよ」
首を傾げていると、いつの間にかあたしの家の前。
もうそんなに歩いてたっけ?
凛人といると、なんか時間があっという間に過ぎてくな…