「…なにが、あったの?」



佐奈ちゃんは黙って俯いてしまった。



あたし、聞いちゃいけない事を聞いたの?



やがて佐奈ちゃんがゆっくりと口を開く。


「…それは、私が言える様な事じゃないです。千尋先輩が、凛人先輩に聞いてみてください」



言い終わったのと同時に、佐奈ちゃんの家の前にいる事に気づく。



「では、気をつけてくださいね、千尋先輩!」


言ってから軽くお辞儀をして、佐奈ちゃんは家に入って行った。





凛人……


何があったか、聞きたい。