家族を失ったあたしに、光をくれた人だから……。 凛人のいない世界なんて考えられない。 それくらいの存在。 「ねぇ、ずっと一緒にいて。あたし、凛人と離れたくないよ…っ」 「………千尋から離れない。一生、そばにいる」 凛人はゆっくりとあたしの手を握る。 それはまるで"大丈夫だ"って言ってくれてるみたい。 でも、凛人の手は、微かに震えていた。 どうしていつも、こういう時に手が震えてるの? それだけ、考えてくれてるの?