「で、大田があの放課後いきなり教室に来たから、正直俺もびっくりしてさ。なんか懐かしかったから一緒に帰る事にしてたんだ」
凛人は苦しそうな顔をした。
「俺最低だよな。彼女いんのに他の女と帰ろうとしたなんてさ。…悔やんでも悔やみきれない」
凛人はそのまま俯いた。
「…ごめん……本当ごめん」
凛人は何度も謝った。
「あたし、今度こそダメだって思った。あの子可愛かったし、何より2人とも仲良かったし。…でも」
あたしは拳をぎゅっと握りしめた。
「1番最初にちゃんと言って欲しかった。そしたら誤解しなくて済んだ」
あの時の凛人に、あの時のあたしに、凄く腹をたててたんだ。
なにも言わなかった凛人と、信じてあげられなかったあたし。
どんなに疑っても、最後には凛人はちゃんと戻ってきてくれる。
美雪さんの時だってそうだった。
ただの誤解だったじゃん。
だから、今回も誤解だって、あたしは考えられなかったのかな。