勢いよくドアを開けると、壁にもたれて空を眺めている凛人の姿があった。



あたしに気づいて、少し笑った様に見えた。




「ちゃんと話す。あのチビの事」



あたしは頷いて、凛人の隣にしゃがんだ。





「ごめん。また誤解させる様な事して」



凛人は深く頭を下げたあと、話を続けた。



「あいつは大田佐奈(おおたさな)っていって、俺のいとこ」




宮森君の話は本当だった。



「大田は小さい頃よく遊んでたやつで。あ、千尋と同じクラスの宮森京っているだろ?あいつも仲良くて遊んでた」



あたしは黙って、凛人の話に耳を傾けていた。



「俺が小4の時に引っ越して以来連絡もとってなかったけど、急にこっちに帰ってきて、しかも同じ高校に入るって言ったから」