凛人の体温が伝わって、あったかい。
久しぶりの感触に、あたしはとろけそうになる。
でもだんだん息苦しくなってきて、あたしは唇を離そうとした。
でも、後頭部を押さえられてしまい、離そうにも離せない。
あたしは凛人の制服の袖をぎゅっと握った。
それから、どのくらいしていたのかわからないくらい長かった。
やっと離れた唇。
あたしは肩で息をしながら、凛人を見上げた。
「ご褒美な」
ニヤリと笑う凛人。
「…っ」
ご褒美な、って………
「じゃあ、また明日な」
そう言い、手をひらひらさせながら凛人は帰って行った。
あたしはしばらく、その愛おしい背中を見つめていた。