「なに、照れてんの?」
凛人はあたしの頭をぽんぽんしながら、今度は意地悪な笑みを浮かべて、あたしの顔を覗き込む。
「ち、違う!」
どうして凛人はあたしの心の中がわかるの?
あたしの恥ずかしさがMAXに達したところで、グッドタイミングにあたしの家に着いた。
「じゃあねっ!また明日」
なるべく赤い顔が見られない様に下を向いてそう言い、家に入ろうと走る。
…あと1歩でドアノブに手がかかるところで、凛人に腕を掴まれる。
「…なに?」
相変わらず下を向いたまま、尋ねる。
次の瞬間、あたしはぐいっと腕を引っ張られ、一瞬にして凛人の腕の中にいた。
それによって、さらに鼓動が速くなる。
あたしはもう1度「なに?」と尋ねる。
凛人の整った顔は、あたしの顔のすぐそば。
さっきよりも赤くなっていく顔。
あたしが尋ねても、返事が一向に返ってこないので、あたしは気になって顔を少しだけ上げる。
「り、んっ…」