「まずは見てからね」
そう言った愛ちゃんは先にカップケーキを作り始めた。
それで、今はアシスタント。
いつまでも泡立て器に頭を悩ませていると…
「…え、まさかのまさかだけど…泡立て器って、知ってる?」
引きつらせた笑顔であたしにそう聞く愛ちゃん。
「……わ、わかりません……」
「うっそ」
ごめん、愛ちゃん。
愛ちゃんはカップケーキを作る手を止め、ため息をつく。
「千尋はまず、キッチン用品叩き込まなきゃいけないわね」
「ひいぃっ」
約2時間、愛ちゃんの熱血指導により、キッチン用品についてさんざん叩き込まれました。
「さーてと、作るよ千尋!」
「……」
愛ちゃん、熱血すぎ。
びっくりしたよ。
「愛しの凛人君のために♪」
「ぅううるさいっ」
「照れてるー」
もう!
からかわないでよ!