玄関を出ると市原君の友達が待っていた。



「凛人!遅せぇぞっ」



男子が「早く帰ろうぜ」と市原君に呼びかける。


「あ、あたし帰ります。ありがとうございました」


丁寧に頭を下げて帰ろうとした時、


「じゃあな、また明日」



後ろからそんな声が聞こえて、振り返ると市原君がさっきみたいに笑っていた。


思わず顔が緩んでしまう。



ひらひらと手を振りながら帰って行く市原君の背中をしばらく見ていた。






……もしかしたら、光汰と同じくらい普通に話せる人かも…!


なんて思いながら家へと帰った。