"ガラッ"


いつもよりもかなり早めに担任が入ってきた。



「えー、皆おはようー。まずはー席につけー」



「じゃ、またあとでね」

「うん」


愛ちゃんは自分の席に戻る。




「えー始業式があるんだがー、その前に席替えをするー」



席替え、という言葉1つでざわめきが起こる。



「くじだからなー。窓側から順に引いてけー」



ラッキー☆

あたし窓側!



どうか凛人の隣であります様に……!


祈りながらくじを引いた。



「全員引いたかー?じゃ、席順書いてくぞー」




あたしはまだ開かないままの紙切れを見つめる。


そして、そーっと開いて中の数字を見る。





"26"




「じゃー、1はここー」


「2はここー」


「5は…10は……20は…」






「んじゃー、26はここー」



どきり。

まだ見ない。


全部書き終えてから、ね。






「…よーし。じゃ、移動開始ー」


あたしはそろーりと黒板を見る。




「………」






26番、大ハズレ。