「自意識過剰?」
凛人が美雪さんに意地悪く言う。
「うるさいっ!せっかく千尋ちゃんが褒めてくれたんだから」
「お世辞だって」
「ちーがーう!」
「お世辞じゃない、です」
あたしはとっさに言った。
それを聞いた美雪さんは「ほらね♪」と勝ち誇った様に笑った。
なんか、凛人と美雪さん見てると面白い。
いいなぁ。
あたしもきょうだいほしかった。
凛人は鼻歌を歌い出す美雪さんを横目に、軽くため息をついた。
「マジめんどくせぇ。行くぞ千尋。家まで送ってく」
あたしの返事を聞かずに、リビングから玄関に連れて行く。