ーーー「………ん」
見覚えのある白い天井。
あたしの右手に温もりを感じて、ゆっくりと顔を向ける。
「り、んと?」
「千尋…よかった。気がついた」
凛人は優しい笑顔を向け、ふぅと息を吐いた。
あたしはゆっくり起き上がる。
「無理すんな」
凛人があたしの肩を支えてくれる。
あたし、なんで凛人の部屋にいるの?
確かあたし、凛人と森の中に入ってって、星空見上げて、夜景を見て。
それから、凛人がトイレ行くからと言っていなくなって………
それから、
それから…………?
「あ、れ…」
その後の記憶がないよ?
凛人はいつ帰って来たっけ?
どういう流れで、あたしは凛人の家に来たんだっけ?
思い出せない…。