「だから、今度は俺の番。俺が凛人から彼女を奪う」
そう言って、あたしの周りを残りの4人が取り囲む。
じりじりと近づく黒い影たち。
「…俺、研介(けんすけ)。研介って呼べ。彼カノだから呼び捨ては当たり前だろ?」
そう言ってあたしの腕を掴む。
「いやっ!離して!嫌だ離して!」
「静かにしろ。騒ぐと凛人が気づくだろ」
そう言うと、後ろから誰かの手が伸びてきて、あたしの口を塞ぐ。
きつく塞がれて、息ができない。
必死にもがくけど、男子の力にあたしが勝てるわけもない。
そのままどこかに連れて行かれる。
しっ、死ぬ…………
あたしはついに、意識を失った。
朦朧とする意識の中で、最後に凛人の声が聞こえた様な気がした。