「なっ、なんで凛人?…なんかあったのかな、電話だし」
1人でぶつぶつ言いながら通話ボタンを押す。
「もしもし?どーしたの」
『今千尋の家の前にいる。出てこれる?』
声聞けただけで十分な感じだったのに。
「今行くっ!」
お母さんに買ってもらったお気に入りの白いワンピースを着て、カーディガン羽織って、コートに手袋にマフラー。
防寒対策バッチリで、家を飛び出した。
「遅い」
凛人が玄関前の階段に座っていた。
「ごめん…」
せっかくクリスマスに会えるって思って、少し張り切っちゃったんだよ?
知らないでしょ。
「…でも、可愛い」
そう笑って、いつもの様にあたしに左手を差し出す。
きっとあたしの顔は真っ赤だよね?
玄関のライト消しといてよかった。
危なくバレるとこだっ………
「顔真っ赤」
バレました。