ーーー「着いた」
白を基調としたシンプルな一軒家。
そしてあたしの家とは全くの逆方向。
いつもこんなに遠い距離を迎えに来てくれてたんだな…
凛人がドアを開けたので「おじゃましまーす」と言い、中に入る。
「おじゃましまーす、って俺たち以外他に誰もいねぇよ」
と凛人が苦笑した。
玄関で靴を揃えながら、あたしはふと思った。
凛人、お姉さんいるって言ってたよね…?
今はいないのかな…?
そう思って尋ねると
「姉貴は大学行ってるからいねぇよ。いつも帰り遅いからな」
と言った。
…大学かぁ。
「俺の部屋、そこの階段上がってすぐ右だから。先入ってて」
そう言ってキッチンに消えていった。