「あれ?一緒に帰っちゃまずい?」


光汰が頭をかきながらあたしに尋ねる。



あっ。

あたしと光汰の家ってお隣だったんだーっ


忘れてた。

ごめん、光汰。



「大丈夫!」とあたしが言うと、光汰は笑って「よかった」と言った。




帰り道。


「凛人と仲直りできたみたいだな」



光汰が唐突にそう言った。


「えっ、あ、まぁ」

「…俺さ、前図書室で千尋に告ったじゃん?あれで凛人のやつ、めちゃくちゃ焦ってたよな〜っ!」


光汰がケタケタ笑う。



……うーん。

あの時は笑えなかったんだけど…



まぁ結果的に仲直りできたからいっか。



「びっくりしたろ?俺がいきなり告って」


光汰が苦笑する。


「でもあれは、千尋と凛人を仲直りさせるため。だから、本気で考えなくていいから!」


光汰が少し寂しそうに笑った。



「そうだったんだ!ありがとう」



光汰のお陰で仲直りできたんだよね!

感謝しなきゃ。





「…でも、本気で考えなくていいからって言い切れないけど」



光汰がぼそっとなにか言ったけど、あたしには聞こえなかった。


「え?今なんて言ったの」というあたしの質問には答えず「じゃ」と手を振り家に入って行く光汰。




もう家まで来てたんだ…


光汰、なんか言ってたけど……何だったんだろ?




しばらく考えたあと、「まぁ、いっか」と1人で笑い、家に入った。