あたしは結局教室に戻る事にした。


ドアを開けると視線があたしに集中する。



「おぉ、遠野。体調はどうだ?」


数学担当の本多先生があたしに言う。

愛ちゃん、体調悪いって言ってくれたんだ。


「あ、いえ、大丈夫です」



少し重い気分のまま、あたしは席についた。





放課後。


「千尋、帰ろ」

「うん」



先に声をかけたのはあたしではなく愛ちゃんだった。




帰り道。


愛ちゃんがあたしに聞く。

「で、なにがあったのさ?まぁ凛人の事だろうけど」

「うん…」



そしてあたしは昼休みの事を全て話した。