凛人は目を丸くしてあたしを見る。


それから顔をしかめて

「なにやってんだよ」

と低い声で言った。



すると光汰は面白がる様に笑って言った。


「凛人が千尋泣かせるからでしょ。だからあいつなんかやめて俺にしろよ、って言ってた」

「ちょっ、光汰⁈」



あたしはびっくりして光汰を見る。


光汰は真っ直ぐに凛人の方を向いていた。



すると凛人がまたあたしを見て

「お前、まさかいいって言ってねーよな」

と、また低く言う。



「……」

あたしは視線を逸らした。





長い沈黙。


この重い空気に耐えきれず、あたしは図書室を飛び出た。





なんで⁈

好きでもないあたしの事、そんなに気にするの⁈



これも、光汰の前だったから?