その日の放課後。



「愛ちゃんー、帰ろー♪」

愛ちゃんの席に走る。



愛ちゃんは首を横に振って「凛人に譲るー」と、満面の笑みであたしの後ろを指差す。


えっ?と思って、後ろを振り返る。




「サンキュー、森田」

「いーえ♪千尋ちゃん、素直じゃなくてごめんねー!」

「まったくだ」



えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ……

いつの間に…



「んじゃ帰るぞ」

「ばいばーい☆」



愛ちゃんがあたし達にぶんぶん手を振る。



あたしは引きずられる様に玄関へ。