「…土曜の帰り、迎えに行くって言った」


凛人が不機嫌そうに言う。




………。






……あ。

言ってましたね、凛人君。

ごめんなさい。



「ごめん、今思い出した」



凛人は笑顔になって、あたしのほっぺたをつねった。


「いったぁ…」



あたしがほっぺたをさすると

「忘れたお前が悪い」

と言われる。




ごめんなさいねーだ。

寝坊してパニックに陥ってたんですよーだ。



心の中でぶつぶつ言ってみる。





「行くぞ」

凛人がまた、左手を差し出す。


今度は迷わずに、その手をとる。




自然と顔が緩む。

凛人といると、なんか幸せ。