男の子はあたしを立たせると「行くよ?」と手を差し伸べてくれる。



あたしは、泣きすぎて腫れぼったくなった赤い目をこすって、その手をとる。





あたしの手を握る力が、少し強い気がした。







その時は顔もよく見れていないし、声も曖昧に聞こえていたから、その男の子があたしと同じ学年だという事に気づかなかった。