連れて来られたのは屋上。



秋の風が頬に当たって心地いい。

伸びをして、空気をいっぱい吸い込む。




にしても、なんで屋上?




「凛人、何?」



凛人は少し赤くなって

「次の土曜、どっか行かねぇ?」

と言った。



えっ…







その日、愛ちゃんと遊びにいく日……。



行きたいけど、愛ちゃんの方が先に決まったし、愛ちゃん優先だよね。


「ごめん。その日、ちょっとむ……」




断ろうとすると、凛人があたしに近づいてくる。



反射的に、あたしは後ずさり。





ーーーとん


あたしの背中が屋上の壁についた。