「凛人…?」


あたしが呼びかけると、凛人は更に手を握る力を強める。




凛人が口を開いた。


「なんで俺がお前をここに連れ出したか、わかるか?」



あたしは迷わずに

「なにかあったんでしょ?」

と聞く。



それを聞いた凛人は、呆れた様な顔をしてため息をつく。


えっ?

あたし、なんか変な事言った⁈




「はっきり言わなきゃダメみたいだな」



凛人が小さくそう言うと、立ち上がってあたしの正面に立った。