あたしはまだ小さかったから、お父さんとの思い出とかは覚えてない。


でも、お父さんのお葬式で泣き叫んだのは今でもはっきりと覚えてる。





お父さんは、優しかった。


あったかかった。






「お父さんー?あたしは、元気だから心配しなくていいよ」



空に浮かぶ星になっているであろうお父さんに、話しかける。


泣きそうになりながら






「…千尋?」


いきなり、後ろから肩を叩かれる。




少し潤んでる目をこすって、あたしは振り返る。



「愛ちゃ…っ?」