私、菱沼(ひしぬま)凪(なぎ)←A子のことです。名前てきとー


突然ですが、私16歳ながらプロの声優やってます。


そんなことが許されるのかって?


大丈夫、私の父親が外務関係の職についていて、ある程度は何とかなるはずだから。


「ほんと、私もいいとこに生まれたよね」


「あ?何か言ったか?」


今振り返った、私の前を自転車をおしながら歩いているこの男は、梓原(しはら)翔(かける)。


私の幼なじみ兼恋人。


「うん?仕事やってく上で親の職業って大事だよね、と思っただけ」


「ああ、まあな」