僕の名前は、戸塚 爽汰。

 爽やかそうな名前だけど、実は
 地味で冴えない男子。

 空気のような存在の僕だが。

 「 戸塚くん、おはようっ! 」

 「 おお、おはよう。 」

 あ~、また動揺しちゃったよ。

 今、挨拶してくれたのは、相木波奈さん。

 優しくて、可愛くて、勉強もできて、
 頼られて、運動もできて。

 誰からも人気の、学級委員長です。


 そんな彼女に、僕は恋をしています。

 僕なんかが、好きになるような相手
 じゃない事くらい僕が1番分かってる。

 けど、僕は知ってるよ、彼女のことを。


 彼女は人一倍の努力家。

 皆の為にどうしたらいいか
 悩んでる姿をよく目にする。

 僕は、皆の為に悩める心を持った
 相木さんが好き。


 彼女はよく中庭で花を見ている。

 自分が「 はな 」という名前だからか、
 花が大好きみたい。
 
 僕も、花は大好き。

 僕と彼女の密かな共通点のようで、
 すごく 嬉しくなる。

 そして、もっと、花が好きになる。