「先生…ソリをやらせて下さいっ!!」 私は深く頭を下げた。 「俺からもお願いします!」 徹も頭を下げる。 「………」 重たい沈黙が辺りに漂う。 私はドキドキしながらそっと頭を上げて言った。 「自分から辞めたいって言ったのに今の発言は図々しいと思ってます…けどっ…」 「なら聴かせろ。お前らの演奏を」 静かな部屋に小森先生の声が目一杯に響いた。