この甘い香水の匂い、この声…
「ギャ―――――――――――――――――ッ」
ゲシッッッ
抱きしめてきた輩に私の飛び蹴り炸裂っ!!
周りからは拍手が…ってそこ拍手いらないよ!!
「…さっすがシイ…今日の愛のムチもメチャメチャ伝わった…だから付き合お!!」
なんでそうなる!?思考回路おかしいよ…!!!!
「…いい加減にしてよね!!渡川っ!!」
☆穂美Side☆
はじめまして。シイの親友・穂美です!
ご飯食べてたらいつもの輩がシイにべったり。
「渡川ー帰れよ」
「シイ連れ行っていいなら帰る♪」
はぁ?意味わかんないし…
シイにくっついてるのは隣のクラスの渡川 京。
茶髪にピアスのチャラ男で「自分はモテてる!」って思ってる、かなり重症の勘違い男でもあるんだ。
今年転入してきて、シイに一目惚れしたらしい…
ま、大変迷惑ですけど―…
「ちょっと…みんなっ…!助けてよ…!!」
「んー」
私は立ち上がって渡川の髪を掴んでシイから無理矢理引き剥がす。
それと同時に…
ブチブチブチッッ
「ギャ――ッ!!!!」
「あ、ごっめーん。抜いちゃった☆」
私の手には渡川の茶髪が何十本ほどあった。
痛そうだけどこのくらいがいい薬だろ!!
「ありがと穂美!助かった!!」
シイが言う。しかも満面の笑みで。
…シイって結構モテるんだよね!性格いいし!なんだかんだ言ってかわいいからね!!
《アイツ》もシイに
夢中だし……
ねっ…!