―――――――ガッッ…







私は思いっきりアイツの顔を殴った。


倒れ込むアイツ、


それに倒された机や椅子、


悲鳴をあげる女子。


その後に手にぐうん…という鈍く重い感触が返ってくる。

それでも私の怒りなんて到底収まらない。


「てめぇ…シイになんてしてくれたんだよっ!!」


パシンッッ


倒れ込んだアイツを起き上がりせ、私は平手打ちをした。


「………」

何も言わないアイツ。


「シイがお前に受けたキズはな…こんなものじゃないんだよっ!!」

「………」


それでも何も言わない。


「…ッ!なんとか言ってよ!………佐伯 徹っ!!」

「………」

「シイに謝れっ!!親友としてシイが辛いとこ…見たくないんだよっ!!」

「…おい…山手やめろよ」

「何があったかはしらねーけど…」

「離してッ…!!」


男子が止めに入って来たけど振り払う。


「なんとか言えっていってるでしょ!?」


「…別にお前には関係ないだろ。何親友ごっこしてんの…?」


ブツンッ…

私の脳内で何か太いものが切れた音がした。


「ふざけんなっ!!親友ごっこじゃない!!親友なんだよ!!」


気付いた頃には私は大きく拳を振り上げていた。

怒りで力の制御なんてできない。

もう…停学レベル。でも止める術がない。



ガッッッ!