「あの、シイが風邪をひいちゃって…徹君に明日担任に伝えてもらいたいんですけど…」
《えっ!!シイちゃん風邪ひいたの!?そりゃ大変ね!!どこが痛いのっ!?》
「頭と喉が痛いって。熱もだいぶあるし、今寝てます」
《わー!なら明日徹にカリンの蜂蜜漬け持たせるわ。》
「ほんとですか?ありがとうございます!!」
いつもこの時期になると徹君ん家にカリンが出来て、その蜂蜜漬けが美味しいんだよね〜!
いつもシイと取り合いしてるくらいだし…
《そうそう!徹がね、今日おかしいのよ》
ん…?あ、まさか…
「どうかしたんですか?」
《家に帰ったらただいまも言わないで部屋に閉じこもっちゃってさ〜ご飯も食べないのよ》
シイと関係ありそうね…
《しっかも目が赤くて泣いてたみたいでねぇ…大好きなシイちゃんにフラれたのかしら?アハハハハ!!》
おばさんの笑い声が耳にガンガン入ってくる。
シイ…徹君とケンカしたんだろうなー…
おばさんに別れを言って、電話を切った。
「…ったくあんたら2人はもはや運命ね」
私はそう呟きながら、机に向かった。