☆舞依Side☆


シイの姉・舞依です。

大学3年生の21歳で、シイとは4歳違いで…ってこんな情報はどうでもいいっ!!

大学の講義が終わって、汽車から降りたら、シイが駅のホームの椅子で寝てた。
そして案の定…



「38度9分か…高いねー…」

赤く火照った顔のシイ。だいぶしんどそう…

まったく…あんな寒いところで寝るからよ…

「明日は学校行かれないね」

「えっ!?行く!」

「バカ言わないで。学校行ってもっと上がって倒れたりしたらどうするの?」

「そんなことより徹が…」

「徹君…?」

「…いや、何でもない」

シイの顔が一気に曇る。

駅の椅子で寝てたのもおかしいと思った。

やっぱり徹君のことが絡んでんだね…


「じゃ、学校に連絡するから電話番号教えて」

「…わかんない。休んだこと一度もないから」

「あ、そうなのー…」


"やっぱバカね"と言おうとしたけど、シイの熱が上がったらいけないし、止めといた。


「しっかり寝ときなさいよ」
私はそう言ってシイの部屋を出た。

今日は母さんも父さんも残業だからまだ家に帰ってない。

階段を降りてすぐの電話機に向かった。

受話器を持ち上げ、電話番号を打つとお決まりの音が流れ、そのうち…


《…はい佐伯です》

「あ、萩原です。徹君にはいつもシイがお世話になってます」

《あ〜舞依ちゃん!いえいえこちらこそ。どうしたの?》

出てきたのは徹君のお母さん。そしてうちの母さんの大親友でもある。