そんな気持ちを抱えながらも、あっという間に駅に着いた。
ちょうどホームにはもうそろそろ出発するという私達の家に続く汽車が止まってる。
約10m先にいる徹は早足に汽車に乗り込んだ。その瞬間…
――――《まもなく〇〇町行きワンマンカー出発します…ドアが閉まります…》
うわーっ何というマンガみたいな展開!!
そんなこと思ってる場合じゃない!
私は一か八かで汽車のドアに飛び込んだ。
―――――――…プシュー
「いったー…」
あ、私乗り込めたんだー…
周りには私を凝視するおじいちゃんおばあちゃん達。
そしてつり革につかまって、驚きながらも冷静に私を見る徹がいた。
私は立ち上がって徹に言った。
「何で私のコト避けんの?」
「……」
「何とか言ってよ徹!!」
色んな気持ちが混ざり合って涙が出てきた。
無意識に出てきた涙にびっくりした私は慌てて制服の袖で涙をふく。
でも驚いたのは私だけじゃなくて徹もだった。
前の優しい感じで[大丈夫か?]って言ってくれそうな目だったんだ…
でもそんな目はすぐ逸らされて…
余計に悲しくなる。