――――――…
♪〜♪〜♪〜
いつも頑張ってた部活も今日はやる気が起きない。
楽器の音さえ、ただのノイズに聞こえてしまう。
「おいっ萩原!ちゃんとやれ!!」
先生に注意された。あーここ担当だったわ…
何か…何もしたくないなぁー…
ふと徹を見ると隣の静と楽譜を見合ってた。
前髪で徹の目元は隠れてるけど、口元は弧を描いていた。
「静には笑うんだ…」
誰にも聞こえないように呟く。
私には笑ってくれるどころか目さえ合わせてくれないのに。
また、心の風穴が広がった気がした。
「…よし。じゃあコンクールの曲いくか。…かまえて」
え…。今の私じゃ徹とソリなんて出来ないよ…
そんな私の心のぼやきなんて先生が気付くことなくて…
曲が始まり、あっという間にソリの場面になった。
慌てて立ち上がって演奏に入る私。
けどすぐに…
♪〜♪〜ッ…
間違えてしまった。その後も間違えたり詰まったり…
曲が終わった直後、徹と目が合った。
けどすぐに逸らされてしまった。
もうやだ…
前の私達に戻りたい…
前の優しい徹に戻ってよ…!