私は階段をかけ上がる。
アイツは昨日あったことを忘れたのかっての!!
あ…やっと教室だー…
――――――――…ガラッ
「「……!」」
教室のドアを開けるとそこにいたのは…
「………徹…!」
今までにないくらい冷たい目の徹。
怖いけど…私から逃げててちゃ始まらない!
ま、まずはあいさつしなきゃ…
平常心平常心…いつも通りに…
「お、おはよ…」
スッ…
え…?
今…私……無視…られた?
いつもなら
[おーシイおはよ]
って言ってくれるのに…
ズキンッ…
心に風穴が出来たみたい。徹のことを思うたび風が入ったみたいに心がずきずきと痛む。
「あれ?シイ入らないの?」
クラスメートに声をかけられた。
「あ、ごめんごめん」
ずっと入口で突っ張ってたら邪魔だよね。
いつも通りにスクバを机の横に掛けて椅子に座る。
「……穂美や静遅いな…」
出てくる涙をこらえながら私はそう呟いた。