☆徹Side☆

シイが部屋を出ていってから俺は死んでしまいたかった。

あんなにシイを傷つけてしまった。


「くそぉ…」


ズルズルと壁に寄りかかりながら座り込む。自然と視界が潤みだして、涙が頬を伝った。


「…っ」


楽譜を取りに行って5分は経ったのに帰って来ないシイを心配した俺は音楽室に向かった。

そこでシイ達がキスしてるところを見て、最初渡川を殴ろうと思った。

けどよく見たらシイは拒否ってなかったんだ。

いつもは飛び蹴りとか簡単にするシイが、何でイヤならボコらないんだって…


それで俺は悟った。


《シイと渡川は両思い》


だってこと。

胸が今までにないくらいキリキリと痛んだ。

俺だけが知ってるシイだってあるのに…

ずっと俺がシイのこと好きだったのに…

今日、シイに告ろうと思ったのに…


いろんな悔しさや悲しさで涙が出そうになった。


そしてその感情を思いっきりシイにぶつけてしまった。

全然思ってないことまで怒りのせいで言ってしまったんだ。


『ごめんなさいっ…』


そうシイが言って泣きながら音楽室を出た時、やっと目が覚めた。