―――――――――ガラッ…
「失礼します…」
薄暗くてしん…と静まりかえる音楽室。
こわー…
さっさと用件すませよ…
「あれ…!?ない!」
ピアノの上には何もない。どこ行ったんだろう…
もしかしてトランペットケースかな!?
手に持っていたケースを下に置いた
その時だった。
「探し物はこれ?」
後ろから聞き覚えのある声がした。
咄嗟に振り向く私。
そしてそこにいたのは…
「渡川!?」
茶髪と銀色のピアスが薄暗い部屋でひときわ目立っている。
その手に持っているのは…
「私の楽譜っ!!」
「お、探し物はこれだったみたいだね」
「返しなさいよっ!」
「え〜?どうしよっかな〜」
不敵な笑みで返される。あ"――――イラつく!!
なら力ずくで取り返すのみ!
渡川の腕に飛び付くけど…
ヒョイッ…
「う…届かない……」
身長180㎝を越える渡川が手を伸ばしたら軽く2mはある。
その手に楽譜があるんだから私じゃ届かない…
も―腹立つ!!早くしないと徹が…