屋上でのことがあってから1ヶ月たったごろ。
「蓮、もう空のことはいいんか?」
放課後の教室、直也と二人で雪を待っていると直也が聞いて来た。
直也と雪にはもう空のこと好きじゃないとしか伝えてない。二人も無理には聞こうとしなかったからそのまま1ヶ月たっていた。
空とは、うちが空のことを避けて話さないようにしている。
「いいの?って言われても、もう好きじゃないから」
としか言えない。もう、裏切られるのは嫌だから。他人とは深く関わらない方がいいんだ。
「そんなに俺のこと信じられない?」
「え?そんなこと……」
続きが言えなかった、いや、言葉が出てこなかった。だって、あまりにも直也が辛そうな、悲しそうな顔してたから。
「俺がだめならせめて雪にはほんとのこと話してあげて?雪、口は悪いけど蓮のこと大事な友達だと思ってるから」
分かってた、雪があいつらとは違うって。分かってたけど、恐いんだ。これ以上傷つきたくない。
でも、それで逆に雪を傷つけてる。なら、いっそ話してしまった方がいいのかな?
ガラガラガラー
「お待たせ!」
「遅い!」
「ごめんって。蓮も待っててくれてありがと」
「うん!」
これ以上、雪を傷つけたくない。きっと雪なら大丈夫!そう自分にいい聞かせた。
「雪この後時間ある?」
「あるよ!なんだなんだデートのお誘いかぁー?」
「ちょっと話したいことがあるんだ。」
うちの真剣な口調で何かを察したのか
「いいよ。どっかのカフェ行こっか。」
「うん。」
「って、ちょっと待てよ!俺は?」
直也にも話しておいた方がいいよね。
「直也も来る?」
「なんだよそのついでにみたいな感じは。まぁ、もちろんいくけど。」
「じゃあ、行こっか。」
そうして、うちは自分の過去とあの日屋上で何があったのかを雪と直也に話した。