「たまたま」また「たまたま」であるが、宏樹の前の高校は、中村圭司の異動先の高校だった。少しくらい何か感じるはずなのに、たいして驚きもしなくて、もう圭司のことは想ってないんだな・・・って自分でわかった。

宏樹の件で、前の担任に電話をかけた。
「もしもし、お世話になります。こちら桜台高校の赤井と申します。」
「あっ、はい。」
なによ圭司じゃん。また「たまたま」なの?

まあお互い気づいたのは当たり前だけど・・・微妙だったわ。


宏樹は、おとなしくもないし、活発でもないが、見ての通りのイケメンで、女生徒からの「きゃーきゃー」にうんざりし、不登校になったらしい。

おそらくこの高校でも同じような状態になるであろう。

でも、桃は、平気。とにかく桃が「友達」なればよいのだから。
桃は誰もみたことないような先生だから・・・・・

生徒の心をつかめばいいのだから・・・・・