夏休みは明けた。

先輩の名前聞くのを忘れてたことに

ずっと後悔してた。


夏休み中に、先輩は


美術室には来なかった。


わかってはいたけど、


やっぱり寂しい。


あぁ、私、こんな気持ちはじめて。


美術室に誰かに来てほしいなんて。


前までの私にはあり得ないし。


そのとき、親友の洋子が来た。


「唯!!はよっ!!」


「おはよぉ。」


「やっぱりお前は人気だなぁー♪」


は?何のこと?


てか、人気は洋子でしょおっ!!


スタイル良いし、顔は綺麗だし

運動できるし。


「人気は洋子でしょっ。」


「え…お前、マジで気づいてないわけ?」

「なにがよー?」

「はぁ…まじ鈍感。鈍い。鈍すぎる。」

相変わらず口悪っ!!


「周りの男子、唯ばっか見てるよ。」

は?あり得ないし。

「たった一人の美術部員だから…哀れんでるんじゃない?」


「うわ。マジで気づいてないわ。逆に凄いな。」

もうっ!!私が人気とか。

絶対に洋子はからかってるんだ!!