「那音先輩、いいんですか?」
「いいんじゃない?おーい、明!吹きすぎでバテないでよ―――?」
「平気ッス!行ってきます!」
明は楽器の入ったケースを担ぎ、山へと登っていった
明は文化部とは思えない運動神経の持ち主である。
――――しかし合宿は、そんな楽しいことばかりじゃない。
一年生と那音先輩だけののパートであるトランペットは、他の楽器の先輩たちに迷惑をかけないべく、練習をきつく設定していた。
もちろん、上手になるためには必要な練習だし、一年生だからって言い訳はしたくはない。
コンクールには自分達が一年生だというレッテル貼ってでるわけじゃないのだ。