そして、審査発表。
「三位、入賞者なし。」
その結果に、ざわめいた。
「二位・・・・」
僕は、順位なんて気にしてはいなかった。
僕が一位間違いない。
そう思っていたから。
「・・・渡辺 吟(わたなべ ぎん)さん!」
僕は目を見開いた。
なぜ?
どうして?
それなら一位はいないに決まっている。
そう思ったのに。
「一位、風間那音(かざま なおと)さん」
風間那音――――。
誰だ、そいつは。
そう思って、僕はそいつの顔を拝んでやろうと周りを見渡した。
そこにいたのは、僕の次に演奏した彼だったのだ。
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