僕に嫌がらせが始まったのは美鳥の話を聞いた次の日だった。
同じパートのコンクールメンバーから外された男の先輩達。
中学生って、体格の違いが先輩と後輩でかなりある。
僕は明よりも背が低いし、力も全然ない。
やられたらやられっぱなしだ。
「なんでこんなことするんですか!?」
「なんで?お前がウザいからだよ。」
「・・・・っ!・・・そんな理由おかしいです!」
「おかしい?一年がコンクールに出ることの方がおかしいだろ!?」
痛い・・・!
けど、負けちゃだめだ。
美鳥だって痛い思いをして、それを見た明だって辛そうだった。
「こんなナヨナヨした奴が俺らよりも上なんて糞だな!
お前の腕なんかへし折ってやるよ!」
「そしたら俺らが出れるんだぜ!!」
・・・ナヨナヨした奴。
確かに僕はそうゆう奴かもしれない。
臆病な人間かもしれない。
こんなになっても抵抗できない。