「―――うん。私がコンクールにでるのが気に入らないんだって。」
そんなことを僕は妬む意味がわからない。
美鳥の方が、先生を納得できる音をしたからだろう!?
「吟は部活に現れたときから実力があった。実績も。
明だって、山田奏介の孫だってみんなが知ったとき、みんなは納得してたし、一年生の中では一番先輩との関係がいいもの。」
「・・・?山田奏介?」
誰?と思いつつ、聞いたことある名前だった。
僕の頭の上にはてなマークがとびかうと、明が補足する。
「俺のじーちゃんだよ。プロのトランペッターだったんだよ。もう引退したけど。」
成る程、と自分の中で全てが繋がる。
明の上手さの秘密が、ここでわかった。
て、今はそんなことじゃなくて。
「私だって・・・沢山練習したよ!
吟にも教えて貰って、明にも沢山励ましてもらって!那音先輩も、まだあんまり上手じゃない私を助けてくれて」