続いてアレグロ。


軽快に、軽く。


それがアレグロの音楽用語だ。



楽しそうだった。


僕が見てきた、どんなプロの奏者よりも。


アレグロは、三連符へと変わってからが、すごく聞き応えがある。


三連符のファンファーレ。


このファンファーレは、フィンガリングはもちろん、タンギングの技術も必要だ。



ノーミス。



当たり前だ。
コンテストなんだから。


しかし、僕はこの演奏がずっと忘れられなかった。


あの温かかった手。
そして、あの楽しそうな顔。