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「那音先輩、おはようございます!」
「おはよ。・・・今日は顔色いいね。いいことあった?」
那音先輩は優しく微笑んで、僕にそう聞いた。
僕は素直に頷いて、那音先輩は「よかった」と言ってくれた。
続いて、僕は明に声をかけた。
「おはよ、明」
「オッス!すっきりした顔したな!お前。」
「うん。」
「よかったな。吟!」
明はまるで自分のことのように喜んでくれる。
ありがとう、明。
君のおかげでもあるから。
と、心の中でつぶやいた。
「それより、美鳥は?」
「休むとか何にも聞いてねぇけど」
僕らがそう話していた時だった。
那音先輩が、微笑ましい顔から一気に険しい顔になる。
「珍しいね。美鳥ちゃんがいないなんて。」
嫌な予感がする、と那音先輩は付け足した。
――――――そう。落ち着いのもつかの間。
新たな波乱が、僕を襲う