「ありがとう、父さん。僕、頑張るね。」


「あぁ・・・。自然なままの吟が、蒼も私も嬉しいんだよ。」



「・・・うん。」



すっかりと夜は更けていた。


その日はなんだか疲れたけれど、自分の中にあったもやもやが消えた気がした。



兄のいった通りだった。



人は、一人では生きてはいけない。


手を繋いで支えあっている。



そして、人には必ず越えなけれならない壁があるということを、僕は知った。